「ノイズが苦手」ってなんだったんだ?

先週末は、大友良英さんの魅力にやられっぱなしだった!まいったー。
あの、普段のふにゃっとした笑顔と、ギターを弾きだした途端しゅっとする真剣な顔のギャップがすんごい…。いやいや、そういうことじゃなくって(笑)。
正直、ノイズミュージックって苦手だなーーと思ってきたけど、大友さんの奏でるギュイーーーーンッ、ギャギャーーンッって音は不思議なくらい心引かれる音だった。
私の中の「ノイズが苦手」ってなんだったんだ?
ノイズ=汚いもの、心地が悪いもの…みたいな固定観念(大友さんの言っていた“フィルター”ってのがこれなのかな)が私のなかにあったのかなー。どこで、どう、それが植えつけられたのかも分からないけれど。
だけど、金曜日の大友さんの「音の学校」、土曜日の正眼寺でのライブ、日曜日のドミューンでのユザーンとのライブを通して、その“フィルター”の設定が少し変わったように思える。
もしかしたら、パソコンでいうところの「ウイルス対策のフィルターが緩くなった感じ」なのかもしれないけれど、もしそれで良いものも悪いものもざざーーーっと私の中に入ってきたとしても、とりあえずは分け隔てなく受けとめてみて、そこから自分に必要かどうか自分が判断すればいいかな、と。
…うーむ。大友さんが言わんとしていることと、ズレてるかも知れないけれど、大友さんのギュイーーーンが鳴り出した瞬間、私の中でガッチガチに凝り固まっていた価値観、フィルターが、少しずつ緩やかに溶け出して柔らかくなっていることを感じて、とても気持ちが良かった。
それと、土曜日はソロで、日曜日はユザーンとの演奏で歌ってくれた、加川良さんの「教訓I」という曲のカバーが素晴らしかった。
大友さんは歌が苦手(小学校の頃の音楽の授業・通信簿の話、おもしろかったなー。担任の先生が私の担任と一緒でびっくりしたけど。本田先生、元気なのかしら?)だと言っていたけど、そんなことなかったなぁ。大友さんのあたたかな声がじんわり心に滲みて、泣けて仕方なかった。
その曲の一節を。
「お国は 俺たち死んだとて ずっと後まで 残りますよね
失礼しましたで 終わるだけ 命のスペアは ありませんよ
青くなって しりごみなさい 逃げなさい 隠れなさい 」
反戦歌なのだけど、これはもう、 いまの福島の状況にすごくリンクしていて。しずかなしずかな曲ですが、ずしりずしりと心に響きました。

加川良さんの動画発見したので。貼っておこう。2002年12月、加古川市民チャリティコンサートの映像だそうです。