探検隊がゆく!

わたくし秘湯&信夫山探検隊はその名の通り、秘湯と信夫山を愛する探検隊でありますが、今回はホームの信夫山を飛び出し、安達太良山探検に遠征!…ていうか、会社の仲間の登山に我ら探検隊もお呼ばれしたのであります。

ホームの信夫山は標高275m、対する安達太良山は1699m。その差は6倍以上…。初の本格登山となる隊長には、前もってコース図と装備について説明&準備をし、翌朝7時出発に備え、前日は早めの就寝。
朝6時起床、朝食を食べて、7時に集合場所の福島駅前に到着。ここからは車一台に乗りあって、目指すは一路、沼尻登山口!
通常「安達太良山登山」と言えば、奥岳のゴンドラがある登山口とか、塩沢スキー場の登山口とかが浮かびますが、今回チャレンジしたのはその裏側「沼尻登山口」。この紅葉の時期、先述のポピュラーな登山口は、そこが二本松であることを忘れてしまうぐらいの、車&人でいっぱいで、駐車場も満杯になることも多々あるそう。それに引き換え、沼尻登山口はマニア向けだけあって、比較的空いているとか…。しーーかーーも!コース途中には、ぬわんと!探検隊フェイバリット温泉のひとつ・沼尻温泉の源泉がどんどこ湧き出ているという湯の花採取所もあるとか!!これは探検隊のための登山コースと言っても過言ではない、というわけで即答で今回参加表明に至ったわけであります。

そんなこんなで朝8時半、沼尻登山口の駐車場に到着。マニア向けにも関わらず、すでに駐車場には30台以上の車が。装備を整え、いざ出発!登り始めて15分くらいで、白糸の滝展望台。すんごい遠目なので特に感動もマイナスイオンもなし。さらに30分くらい登ると胎内・船明神山のコース分岐点。ここからは眼下に見える湯の花採取所めがけて下り、沼尻温泉の源泉が流れる硫黄川へ。あたりはモワワ〜ンと硫黄臭が充満。硫黄川と温泉が交じり合ったところは、適温の温泉!入りたい欲求がぐらぐら湧き出るも、ここいら一帯は危険な有毒ガス発生地帯であるため、長居はできない(入っている人はいるけどね)ので、手湯でガマン。
それにしても大好きな沼尻のお湯がどんどこ湧き出る場所はまさに聖地!そこはかつての硫黄採取場跡地なのですが、当時をかすかに偲ばせる廃屋、作業小屋、鳥居がゴロゴロ…この世とは思えん。

さて、まだ序盤も序盤。ここからは硫黄川沿いをさらに登り、胎内岩を目指します。目指す胎内岩は…と上を見上げると、え?あれ!?あの豆粒みたいな人がのっかってる岩の上?という遥か上空に見える胎内岩に、一同軽く衝撃を受ける。しかし引き返すわけにもいかないので、今にも崩れんばかりのすんごい岩場を登ります。やっとの思いで胎内岩名物“胎内くぐり”に到着。岩と岩の隙間を這いつくばってくぐらねばならない難所でありました。

登りきったここからは今登ってきたガレ場や硫黄川の流れる谷が一望!でも岩場の下はガケ!という尾根歩き。お〜〜こわっ!

そして次第に姿を現したのは、でっかい噴火口!「沼の平」と呼ばれるその窪地は、まるで月面のクレーターのよう。かつては沼の平を通るコースもあったそうですが、硫化水素ガスによる死亡事故をきっかけに閉鎖されているとか。そう聞くとさらに恐ろしい風景に見えます…。右手にはその不気味な噴火口、左手には紅葉燃える山々、というまるで天国と地獄の両極端を左右にしつつ尾根歩きは続きます。右に一歩滑ったら、マジで“奈落の底”…おぉこわ。
さて、一行は昔セスナが墜落したという「石楠花の塔」を通過し、ちょうど12時ちかく。鉄山手前の平らな場所でランチに。雲がかかり、あたり一帯モヤでまっしろ…寒い…。同行した会社の先輩が作ってくれた豚キムチはるさめスープに一同救われました。
30分ほどのランチ後、1709m(安達太良山よりも高いのね)の鉄山登頂。だんだん雲も晴れてきて、私が歩いてみたかった牛の背、馬の背(やせ細った牛や馬の背中みたいなところを歩くの!風が吹いたらかなり危険かも)も無事通過。紅葉もきれいに見えました。安達太良山山頂はすぐそこでしたが、疲労と山頂に見える人々の渋滞を見て、今回はパス。山頂への登頂はまたの機会にすることに。
石筵への分岐点も過ぎ、次は帰り道の船明神山へ。岩場を少し登ったり下ったりして、ちっちゃい池に到着。とりあえず、水切りで遊んでみる。その後、また岩場やガケを歩いて障子ヶ岩へ。このあたりで、沼の平の見える景観ともお別れし、あとは樹林の中を下りていく…のですが、この樹林帯の下りが辛かったー。粘土質の地面に、根っこが龍のように生え、笹が覆う道を、とんでもない落差でうねうね下るのですが、そりゃもう、川口浩探検隊を彷彿させる光景。思わず「か〜わぐっち〜ひろしは〜洞窟にはい〜る〜」と歌いだす始末。膝が笑って言うこときかないし…。そんな下りが延々1時間以上続いたのでしょうか…ゴールの駐車場が見えた時には、「やったー!これで帰れる〜」と思わず泣きそうになりました。
帰りは、沼尻高原ロッジに寄って日帰り入浴♪女湯の露天風呂からは磐梯山方面に沈む夕日がきれいに見えて至福のひととき…。

それにしても、普段運動ゼロの私、よくぞ頑張りましたと自分を誉めたい。翌日の仕事がキツかったのは、言わずもがな…ですがね。