秋にしてレコードを想う。

仙台に住んでいた学生時代、食費も削りに削って(母に送ってもらった米と味噌で暮らした日も)、仙台のDisknote、パラレコ、セプテンバーソング、グレートミュージック、サウンドユー、J&B(…今残ってんのどれだ!?)に通ったり、「米国音楽」で知ったイギリスの「しゅがふろすと」からエアメイルで通販したり、名古屋のArch、大阪のsyftからネット通販したりして、レコードを買っておりました(といってもDJの皆さまのような膨大な数は所持しておりませぬ)。

それが2000年頃を境に、何かポーーンと電源が抜けたように、それまでの情熱が嘘のように冷めてしまって、レコードもCDもほとんど買わなくなって早10年。

でも、あの頃必死になって集めたレコードは、今も私の大切な宝物であることに変わりはありません…仕舞いこんで出番こそ少ないけれど(汗)。
なんていうのか、その存在というか「ここにある」という安心感がレコードにはあるなぁと思うのです。たまに取り出してはしげしげとジャケットを眺めたり、飾ったり…愛情にも似た感情があります。私の場合、かなりツンデレですけどね。

んで、レコードを眺めていると、
「子どもの頃、祖母の家の洋間にあった古い家具調ステレオの前に陣取って、大好きな童謡や歌謡曲のレコードを並べて、次はこれをかけろとねだったっけなぁ。」
とか
「ぽかぽか晴れた日曜日、母は機嫌がいいと決まってビートルズかスリーディグリーズのレコードをかけながら掃除機をかけてたっけなぁ。」
とか
「学生の頃に通った仙台のクラブイベント(blue blueというクラブで、たまにネオアコとかフレンチとかインディポップの流れるイベントもあったのです)で、気に入った曲が流れると踊りつつも夢中でそのレコードジャケットを目に焼き付けたりしてたっけなぁ。」
とか、
懐かしい思い出がふわぁーっとよみがえってきます。どれもこれも幸せな思い出。

そんなことをふわふわ考えていた先日、「HMV仙台一番町店閉店」という悲しいニュースが。
これは本当にショックでした。
今年は“渋谷系の聖地”と呼ばれたHMV渋谷店も閉店してしまったし、なんだか本当にどんどん街からCDショップが消えていきますね(泣)。私も買わなくなっちゃったので、その原因のひとつを担ってしまったわけなのですが…。

で、話はまたレコードに戻りまして。
今出ている雑誌「GROOVE」で、興味深い特集をやっているらしいのです(まだ実物は読んでいないのだけど)。
以下、リットーミュージックの「GROOVE」サイトより引用。

レコードの秋〜人気DJたちが語る魅惑のアナログ世界
■特集1
レコードの秋
100年以上も前に発明されたメディア、レコードが、なぜ現代でも愛され続けているのか? サウンド、ジャケット、たたずまい……さらに奥底にある“何か”を会話やディスク紹介を中心に探求していきたい。

須永辰緒×DJ EMMA
〜大御所2人が語る“なぜ現場でレコードをかけ続けているのか”
カジヒデキ×仲真史×松田“chabe”岳二
〜インディ/ポップシーンにおけるレコード文化
小西康陽×常盤響×前園直樹×馬場正道
〜和モノ/亜モノレコード座談会
(もっと続くのですが以下略)

ここ最近、私がぼんやり思っていたこととリンクしていて、ちょっとびっくり。そんなわけで、普段読まない雑誌ですが、この特集はちょっと読んでみたいなぁーと久々に思ったのでした。まだ本屋さんにあるかな?


ミッドナイトトレイン/スリーディグリーズ
母がよく掃除の時にかけていたのがこの曲。
かあちゃんの機嫌がいいのが、幼い頃から私の何よりの喜びだったので、
日曜の朝、このレコードをターンテーブルに乗せる母を見て、「よっしゃー!」と密かに心の中でガッツポーズをしていたのでした。